BLOG

マーケッターは、動画広告の「見かけの視聴完了率」に惑わされるな。

動画広告を活用している多くのマーケッターが、動画広告の視聴完了率や視聴完了単価を重視しています。しかし、動画広告のフォーマットの中には、視聴完了数を伸ばしたり、視聴完了単価を安価なTrueViewに合わせることを重視するあまり、視聴の質に疑問が残るものもあります。それが実際にどのような広告フォーマットなのかを説明したいと思います。


フォーマット1)WEBページの記事内や記事下で自動再生される動画広告

記事中や記事下で表示されます。基本的にはブラウザに広告面積の50%以上が表示されると、自動再生され、50%以下になると再生停止するものが多いです。以下は、実際に表示されたこのタイプの広告のキャプチャー画像です。

in

画面下で、動画広告の面積50%が表示され、動画の自動再生が開始されているのですが、この時点で、動画広告の上に表示されている画面内の記事の文字数は360文字程度あります。日本人の平均的な読書スピードが、1分間に400〜600文字と言われているので、仮に600文字/分としても30秒以上かかる計算になります。この間に15秒、30秒の動画広告が再生され続けている訳なので、当然、再生完了率は高くなります。つまり、動画がしっかりと視聴されていたかというと、「動画は再生されていたが、実際には記事を読んでいた。」というユーザーが相当数いると思われます。
また、ユーザーストレスもかかります。興味ある記事を最初から斜め読みせずに、注意深く読んでいる状況を想定してください。この時、このような動画が下で自動再生されれば、集中力を阻害され記事が読みづらくなります。

フォーマット2)WEBページのヘッダー付近でオーバレイで自動再生される動画広告

WEBページの上部、ヘッダー付近でエキスパンドして自動再生される動画広告です。ユーザーがスクロールダウンしても動画広告は画面からは消えずに再生され続けます。このフォーマットも、ユーザーはスクロールで動画広告下の記事を読むことができるため、動画広告ではなく記事が読まれている可能性もあります。

over

尚、フォーマットによっては、ユーザーがスクロールした時に、再生を継続したまま広告サイズが小さくして、ヘッダーやフッター付近でこびりつくように表示されるタイプもあります。ユーザーがもはや広告を気にしないレベルに小さくしてまで、視聴完了数を増やして意味があるかはかなり疑問です。

広告を閉じるボタンを押すハードルの高さ

上記の2つのフォーマットには、大体「広告を閉じるボタン」が用意されています。しかし、そもそも、広告の右上にある小さな「広告を閉じるボタン」に気づき、わざわざ広告をスキップするために「広告を閉じるボタン」をタップする行為は、ユーザーにとっては、それなりのハードルです。広告を見たくないと思っていてもタップしない人も多いでしょう。

こういったフォーマットは、実際に、ユーザーとして、普段サイトを見ている時に接触したことがないと、どのようにユーザーは感じるかを想像しづらいかもしれません。広告のデモページや資料でみる印象とはだいぶ変わると思います。
マーケッターは、動画広告の視聴完了数が、質の高い視聴による数値なのかをしっかりと吟味する必要があります。

この記事に関連するリリース:
インパクトとユーザビリティを両立した動画広告フォーマットBackdrop
Backdropによる動画広告プライベートマーケットプレイスCONNECT

  • このエントリーをはてなブックマークに追加