今後ブロックされるモバイル広告、ブロックされないモバイル広告。
2週間程前の話題となりますが、Googleが2018年初旬、世界で圧倒的シェア率を誇るChromeブラウザにアドブロック機能を実装し、「望ましくない広告」をブロックするというニュースが大きな話題となりました。そのブロックされる広告は、インタラクティブ広告の改善を目的とした団体「Coalition for Better Ads」が定めた広告基準「Better Ads Standards」で指定された広告フォーマットや掲載方法となります。
この「望ましくない広告」の内容の詳細については、Coalition for Better Adsのこちらのページに記載されているとおりなのですが、英語で書かれており、ざっと斜め読みしている方も結構多いのではないでしょうか。しかし、しっかり読まないと「インタースティシャルは駄目」とか「フルスクリーンは駄目」など誤った認識を持ちかねないので、何がNGで何がOKなのかを理解するためしっかりと読んで理解する必要があります。そこで「Better Ads Standards」のなかで、当社にも関係が深い「モバイルにおいて広告ブロックされる可能性が高い、8つの広告フォーマット/掲載方法」について翻訳し、補足の説明をしたいと思います。
Chromeでブロックされる可能性の高いモバイル広告
■ポップアップ広告
ポップアップ広告は、ページの主要コンテンツをポップアップしてブロックする、インタースティシャル広告の一種です。ページのコンテンツが読み込まれた後に表示され、ウェブサイトへの訪問者にとって最も一般的に挙げられている迷惑行為の1つです。ポップアップ広告は、画面の一部または画面全体を占めることができます。
テスト済みの広告エクスペリエンス:
カウントダウンのポップアップ広告、カウントダウンのないポップアップ広告(デザインの2種類のバリエーションでテスト済み)
メモ)これはイメージしやすいですね。ポップアップ広告は日本の媒体社様のサイトではあまり見なくなった気がしますが、広告主様のオウンドメディアやECサイトでは、「メルマガ登録」や「セール中の案内」などの目的でよく見かけますね。
■プレスティシャル広告
モバイルのプレスティシャル広告は、コンテンツがロードされる前にモバイルページに表示され、ユーザーが探し求めたコンテンツを見ることができなくなります。これらのポップアップは、フルスクリーンからスクリーンの一部まで、異なるサイズが存在します。また、ユーザーがメインコンテンツにアクセスできないようにするスタンドアロンページとして表示されることもあります。
テスト済みの広告エクスペリエンス:
カウントダウンを使用するプレスティシャル広告、カウントダウンを行わないプレスティシャル広告。
メモ)日本でインタースティシャル広告といえば、このプレスティシャル広告の事を想像する方が殆どではないでしょうか?カウントダウンされるタイプも含め、日本でも良く見る広告フォーマットです。これがNGなら、動画版のプレスティシャル広告といえるYouTubeの5秒はスキップできるプレロール動画広告もNGな気がしますが、そうではないんですね。。国内でも導入されている大手媒体社様は多いので、プレスティシャル広告がブロックされる事は非常に大きなインパクトがあります。
■カウントダウン付きポスティシャル広告
ユーザーがリンクをたどった後、カウントダウンタイマー付きの広告が表示されます。これらの広告は、ユーザーが広告を離れる前に数秒の待機をさせたり、広告を閉じたり、別のページにリダイレクトしたりするよう強制します。
これらの広告は、ユーザーが1つのページから別のページに移動しようとすると、この広告によって遅れてしまい、そのページを完全に放棄する可能性があり、コンテンツ体験の流れを壊すことによってユーザーを苛立たせます。
すぐに離れることできるカウントダウンの広告は、最初のBetter Ads Standardの影響を受けません。
メモ)これもインタースティシャル広告の一種です。先程のが「Pre(前)」でこちらは「Post(後)」です。1つのページを閲覧し終えて、次のページ遷移しようとリンクをタップしたら表示されるという事です。日本ではあまり見ない気がします。説明を読むと、すぐに離れることできるカウントダウンの広告は、最初のBetter Ads Standardの影響を受けない。と書かれているのですが、「すぐに離れることできる」の定義がはっきりしません。アニメーションをみると、少なくとも5秒とかのレベルではNGのようです。
■広告密度が30%以上
モバイルページの広告がページのメインコンテンツ部分の垂直高さの30%以上を占める場合、これらの広告がテキスト、動画、静止画像のいずれであるかにかかわらず、結果的に広告の操作は邪魔になります。これには、スティッキー広告とインライン広告が含まれます。この種の密度は、モバイルデバイス上のテキストコンテンツに集中することを非常に困難にし、不満を感じるユーザーにつながる可能性があります。
テスト済みの広告エクスペリエンス: 50%の広告密度・35%の広告密度・30%の広告密度
メモ)広告クラッター問題への対応ですね。アドフラウドについては日本でもかなり議論されるようになってきましたが、クラッター問題については、まだ十分に議論されていない気がします。
■点滅するアニメーション広告
急激に変化する背景や色でアニメートして「フラッシュ」する広告は、消費者にとって非常に悪化し、特定のページのコンテンツを読み込もうとすると、邪魔になります。
「フラッシュ」しないアニメーションは、最初のBetter Ads Standardの影響を受けません。
メモ)アダルト系の広告では多い気がします。
■音声付きで自動再生される動画広告
ユーザーのインタラクションがなく、音声付きで自動再生される動画広告。この広告エクスペリエンスは、読者がガードを外してしまったり、しばしばウィンドウやタブをすばやく閉じて音を止めるように強制するため、特に混乱を招くことがあります。特にモバイルデバイスや公共の場で公衆の迷惑と個人的な恥ずかしさ。音を有効にするためにクリックが必要な広告は、最初のBetter Ads Standardの影響を受けません。
Better Ads Methodologyでは、ページ自体のコンテンツに関連する動画コンテンツ(「プレロール」)または動画コンテンツ(「ミッドロール」)中に表示される動画広告はまだテストされていません。
テスト済みの広告エクスペリエンス:
音声付きインライン動画広告の自動再生
メモ)日本でもデスクトップ向けのインバナー動画広告でありました。広告が表示されている場所もわかない時など、音声をミュートにするのが大変でした。
■全画面スクロールオーバー広告
全画面スクロールオーバー広告では、ユーザーはコンテンツの上部に表示される広告をスクロールします。これらの広告はページの30%以上を占め、ページの主要コンテンツの上に浮かび上がって見えなくなります。コンシューマーが閲覧しようとしているコンテンツが不明瞭になるため、結果がユーザーにとって分かりづらいことがあります。これらは、コンテンツ内にスクロールでインラインに表示され、スクロールでスムーズに視界から外れる類似の広告とは異なります。
メモ)これも日本ではあまりみかけませんが、この会社が提供している広告フォーマットが該当しそうです。 「これらは、コンテンツ内にスクロールでインラインに表示され、スクロールでスムーズに視界から外れる類似の広告とは異なります。」と書かれていますが、コンテンツにオーバーレイで覆いかぶさるタイプがNGということですね。
■大型スティッキー広告
大型スティッキー広告は、スクロールするユーザーの努力にかかわらず、モバイルページの側面に固定されます。ユーザーがページを閲覧するとき、この静止して動かないスティッキー広告は画面の30%以上を占めます。
大型スティッキー広告は、ユーザーがページ上をどこに移動しても、モバイルページビューの一部を妨害し続けることによって、妨げになる効果があります。大型スティッキー広告の配置は、ページの主なコンテンツを混乱させ、覆い隠し、否定的なユーザーエクスペリエンスにつながることは避けられません。
テストされた広告エクスペリエンス:
下に表示される大型スティッキー広告
メモ)スティッキー広告は主要なモバイル広告フォーマットではありますが、例えここまで大きくないサイズのものでも、最低限、非表示ボタンをあって欲しいと思います。
現在発表されている8タイプは、あくまで現時点で指定されたものであって、今後も指定されていくと思われます。当社としても今後の動向を注視していきます。